Port implant CVポート手術
がんがわかって、治療方針が決まってまずしなければならなかったのが、
ポートを入れる手術です。
この手術自体は、日帰りでできる簡単な手術なのですが、
出産以外は病院にもほどんと縁がなかったので、
生まれて初めての手術で、不安がありました。
しかも、この手術いろいろあって、一度予約してあった日の当日に
キャンセルになったりというトラブルもあって、
がんがわかって、まだ自分の中でいろいろ消化していない
精神的にも不安定な時期だったことも、不安を煽る原因だったと思います。
日本ではCVポートと呼ばれているようです。
心臓の近くの中心静脈にポートから繋がったカテーテルを入れ、
胸の皮下にポートを埋め込んで、抗がん剤の点滴の針を
皮膚の上からポートに刺して使います。
強い抗がん剤を使う時、腕からの点滴だと血管が細いために、
血管痛になったりすることがあり、継続して使えなくなってしまうために、
ポートを埋め込んで、治療に使うためのものです。
実物はこんな感じです。
がんになってから、いくつかのことが予定通りに進まなかったりして、
不安になることが多々あったのですが、
なぜかそれらは全て、結局そうなってよかった、
という結果になっていて、何かに守られている気がしていますが、
このポートの手術の時も、いくつかのトラブルの後、
病院を変えて手術をすることになり、
結果、とてもいい先生、スタッフの方のいる病院でやっていただくことができました。
ポートの手術は、局部麻酔で、起きたままする病院もあるそうですが、
私の行った病院では、全身麻酔でやってもらえました。
これは、私には大きかったです。
体を切ったり、体に何か入れたりするのに、目が覚めたままというのは
考えるだけで、無理です。
とてもいい外科の先生、麻酔科の先生、看護師さんたちにやってもらって、
あっという間で30分くらいで終わったようです。
(これは急にお願いした手術で、先生のランチの時間に入れていただいたのです)
私が麻酔から覚めたのはそれから少し後ですが、
寝ている間にレントゲンで、カテーテルがきちんと入っているかも確認してもらって
目が覚めた時には、家に帰ってからの処置の簡単な説明と、
お薬の処方箋をもらって、着替えて帰っていいですよ、ととてもスムーズでした。
手術の後顔がかなりむくんでいて、朝とは別人の顔になっていたので、
痛みは感じなかったけれども、やはり麻酔や手術で体に負担があったのであろうという疲れがありました。
しばらく痛みは感じなかったのですが、数時間すると傷口が痛み出したので
処方されたイブプロフェンを飲みました。
もう少し強い痛み止めももらったのですが、オピオイド系と、
アセトアミノフェンの混ざったものの、ハイドロコドンというもので、
飲んだことがなかったので、やめておきました。
イブプロフェンで十分痛みは抑えることができました。
でも、ポートは入れてすぐに、点滴で使うことができる、
と言われていますが、もし私が手術の後すぐに点滴のために
ポートに針をアクセスしなければならなかったとしたら、
おそらく泣いてました。それくらい、腫れや痛みはしばらく続きました。
手術の痛みが取れていないのに、傷口にはまだテープもついたままなのに、
そこに針を刺すのは、無茶です。
幸い、私の場合は治療開始までに時間があったので、よかったです。
手術は2019年6月18日に行いました。
最初の抗がん剤投与は2019年7月1日でした。
透明フィルムのドレッシング(絆創膏)を使いますが、
このままシャワーもできます。
ただ、簡単に剥がれないようにするため接着が強いので、
肌が弱い方はかぶれたり、
私の場合は交換の際に剥がす時に皮膚が一緒に剥がれ血が出ました・・
それを見た看護師さんが、敏感肌用のドレッシングに変えてくれました。
敏感肌用があるなら、最初に聞いてくれればよかったのですが。。
私の24時間連続投与の抗がん剤は夏だったので、
汗をかくと痒くなったりもしましたので、
できるだけ汗をかかないように気をつけました。
特にエクササイズをしたりということは放射線、抗がん剤中だったのでしなかったのですが、
庭仕事などをするとどうしても暑くて汗をかいてしまっていました。
私の場合のポートの使用目的は、
- 放射線治療の際に併用して24時間点滴をする5FUのため
- 手術後の抗がん剤治療 オキサリプラチン投与のため
手術後のオキサリプラチンに関しては、強い抗がん剤なので、
腕からだと血管痛が激しく、投薬に支障が出てしまうということで、
ポートは必須でした。
手術前の放射線と併用する抗がん剤については、
現在は手軽さから、錠剤の飲み薬を使っている方が多いということでしたが、
主治医のカラフル先生から、
錠剤
- 手軽
- 一回に私の体重だと4錠(かなり大きな錠剤)を朝夕2回毎日。
点滴
- 6週間交換時以外は24時間継続して点滴
- 携帯用ポンプを常に携帯。
- シャワーには入れるが、ポンプを濡れないところにかけるなどして対応
- 先生の経験上、副作用は錠剤より緩い傾向がある
以上を踏まえて、どちらにしたいか決めてください、と言われ、
ポンプを見せてもらったところ、そんなに大きなものでなく、
重さも抗がん剤がフルの時でも大体400グラムほどのものなので、
副作用が比較的緩い というのが魅力的だったのと、
大きな錠剤を飲むのが苦手なので、点滴を選んだため、
手術前の抗がん剤でもポートを使って抗がん剤を連続投与しました。
ポートは半永久的に使えるということで、
採血をしたりする時にも、ポートからすることができます。
ポートを使った後には、ポートの中に血液が固まってしまわないように、
生理食塩水と、ヘパリン(血液凝固阻止剤)を注射器で注射します。
全ての治療が終わった時には、ポートを除去することができます。
再発、転移のことなどを考えてしまうと、
除去のタイミングは悩めるところなのかもしれません。