ストーマ閉鎖手術とその後
いろいろ治療は終了したのですが、やはりがんの治療とは
終わってすぐに普通の生活に戻れるものでもないようで、
体力が追い付かずに何かするとすぐに疲れてしまうことがつづき、
やっとひさしぶりにブログを開くことができました。
ゆっくり休めるよう、あえてスマホやコンピュータを使わないようにしていたというのもありますが
特に何をしていたということもなく、手術前は仕事と、
家のこと、まだコロナの影響で病院の予約以外は家で過ごし
買い物も主人が行くという生活でした。(←これは今も続いています)
そういうわけで、だいぶ書くのが遅れたのですが、
2020年6月15日に無事ストーマ閉鎖の手術を終えました。
手術前に肝臓の超音波検査、MRI、血液検査一式があり、
肝臓には異常がないことがわかり一安心しました。
肝臓は抗がん剤治療中から肝酵素(特にALP)の数値が上がっていたので、
要観察となっていたのですが、今回数値は正常ではないものの、
だいぶ下がりました。
ただその時のMRIで、異常というほどではないということですが、
今度は胆管が拡張しているということと膵臓に膿疱のようなものがあるということで
閉鎖手術後にさらに検査をすることになりました。
閉鎖手術はストーマの周辺を少しだけ切り、腸をつなげておなかに戻し
おなかを閉じるという、前回の手術に比べたらずっと短い手術で
4時間で終わりました。
手術の日の早朝病院へ行き、そのまま手術をしたあと
今回は4日目に退院となり、
アメリカはやはりいつでも最短の入院ですが、これにもだいぶ慣れてきました。
居心地が悪いわけではないのですが、食事が全然美味しくないので、
少しでも早く帰りたく、手術後すぐに病棟内を歩き退院まで毎日がんばりました。
確かに前回の手術の時は、手術後支えてもらわないと歩けなかったりしたので、
それだけ大きな手術だったんだなと改めて思いました。
前回同様、退院後も6週間は家で安静にするようにということで、
その間は仕事もお休みをいただきました。
手術自体は前回より短時間だし、先生も簡単な手術です!と言っていたので、
術後も回復が早いのではないかと勝手に思い込んでいましたが、
6週間安静に、という診断書をくれるには
それなりに訳があるんだということに気づいたのは家に帰ってからでした。
結局前回の手術と同じように回復には時間がかかり、
お腹の縫い合わせたところ、外側の傷はすぐに良くなったのですが、
中の筋肉?の縫い合わせたところがかなり痛みがあって、
なかなか普通通りに動くことはできず。。
6週間は、牛乳の1ガロンのボトル(これは約4リットルくらい)
以上の重いものはもたないようにと先生から指示がありました。
手術後の回復に加えて、抗がん剤の副作用もあったので
実際は前回より辛い気がしました。
でもこれはおそらく気のせいで、10月のがんをとる手術の方が辛かったに決まっています。
何しろ、本当に断腸したわけです・・
今回は気持ち的に、腫瘍を取る手術も抗がん剤治療も終わっていたので、
今考えると全然まだまだの状態だったのですが、当時はもうすっかり健康な状態と思い込んでいたため、
閉鎖の手術を甘く見ていたから、辛く感じたのかもしれません。
ストーマ閉鎖手術後の、排便の調子ですが、ストーマでずっと楽をしていたので
手術後の排便障害は色々な方の話を聞いてとても心配していたのですが
思ったよりひどくない、が現在の心境です。
がんがわかる前もお腹の調子はおかしかったので、
私にとっての「正常」というのは遥か彼方にある夢のような状態と思っていたのですが、
とにかく手術後にお腹がゆるくならなければいいなとそれだけでした。
結果としては、基本的にお腹は緩くならず、ただ回数としては、多い時は15から20回。
でも1日に少ない時は全くお通じがない時もあります。
開きがかなりありますが、でもこれがお腹が下って回数が増えているわけではなく、
普通の人が一回で済むところ、少しずつ分けてくる、という感じです。
先生はこれをクラスタリングと言って、この手術で直腸を取り、
一時ストーマを使って閉鎖した場合には、通常一度に出し切れる物を
数回に分けて出すようになる、これがニューノーマルだ、と言っていました。
なので、例えばお通じが朝ならば、朝には時間に余裕をもって
お手洗いの時間を取るようにしたらいいと思います、と言われました。
私の場合は、現時点では平均したら一日5、6回というところでしょうか。
あまり詳しくは書かない方がいいような気もしますが、とても細い状態で出てきます。
なので、全部出すまでに回数が必要、という感じです。
食べたものによって、回数が多くなったり、調子が良かったりするので、
慣れれば食べ物で調整できるような気がしています。
術後4週間は食物繊維を制限した食事をするように指導されるのは
そういう理由からなのでしょう。
生の野菜や果物、豆類、乳製品(低脂肪のヨーグルトはOK)、刺激物などは制限して過ごしました。
4週間目に外科の先生の診察があり、やっと少しずつ野菜を食べていいですよ、と言われました。
イメージとしては、ベテランの直腸さんが引退したので
同じ部署のS字さんが仕事を引き継ぐことになったが、
急なことで引き継ぎがうまくできておらず、
仕事を覚えるのに少し時間がかかっている。
でも元々は同じ部署の人なので、やがて仕事を覚えれば
直腸さんと同じ仕事ができるようになるので暖かく見守って欲しい。
というようなことを先生は言っておられました。
しばらくの間は、野菜などを以前のように食べてしまうと
回数がとても増えてしまうし、逆に野菜を減らすと過度に便秘気味になってしまう感じです。微調整が必要で、慣れるまで時間がかかるかもしれません。
手術前に念のためにパンツ型のおむつを用意しておいたのですが、
特に家にいる時は必要ありませんでした。
意外とスタイリッシュなかわいいおむつを見つけたので、
使うのを楽しみにしていたのですが。。笑
手術後は7月末からフルタイムで仕事に戻り、現在に至ります。
仕事復帰してから1ヶ月半と少し経過したところで、
いまだにうまくコントロールできず何回もトイレにかけ込む時もありますが、
コロナの影響でまだあまり外出やオフィスに出勤ということもしていないので
特に支障はありません。病院などで外出する時には、念のためにおむつを履いて出掛けたりしていますが、
早めにトイレに行くことができれば、汚してしまうことはまずありません。
ただ、ちょっと前より、便意を催す、という感覚が鈍っているので、
いつの間にかあれっ?という時が何回かありましたので
早めにトイレに行く、それからおむつをはくようにしています。
とにかく手術がうまくいき、今健康で過ごせることがとてもありがたいので、
一時ストーマになった時も、おむつをはいたりしなければいけないことにも
ほとんど抵抗がなかったので、前向きに過ごせているのかもしれませんが、
おむつを履いたり、お腹にバッグをつけることに抵抗があったとしたら、
明るく過ごすことができないかもしれなかったです。
これは、がん発覚後に読ませていただいた皆さんのブログや、
Facebookのサポートグループのみなさんのおかげです。
それから、いろいろネットで調べると前向きに慣れなくなるのでやめなさい、と
忠告してくれた腫瘍科の先生にも感謝です。
閉鎖手術後も思ったよりも生活に支障がなく、本当にありがたいです。
肝臓の先生の診察がまた近くあるのですが、それさえクリアできたら、
来月にはポート除去の手術と術後一年のコロノスコピー(大腸カメラ)ができる予定です。
体調も日に日によくなり、そろそろテニスをしに行っても大丈夫かな?と思っています。