初めての大腸内視鏡検査 <下剤>モビプレップとがん判明
10月14日でちょうどがん切除とストーマ増設の手術から一年が経ちました。
ここ数日娘のことやその他のことで忙しくしていたのですが、
一息ついて手帳を開いて改めて、一年だったんだな、と思うと、
病気がわかった時のことなど思い返して、本当にいろいろな思いが蘇りますが、
今があることをとてもありがたく感じます。
今こうやって普通にしていられるのも
不幸中の幸運でギリギリのタイミングで治療を始められたことにあると思います。
私と同じ直腸がんのステージ3bの方でも、亡くなられた方や
私と同じ時期にがんがわかって、同じステージ、同じコースの治療後に、
再発、転移が見つかり現在も治療中の方も
サポートグループにはいらっしゃいます。
同じステージでも、がんの種類も細かく別れますし、
遺伝子変異などの種類によって
状況が違ってくることは確かですが、
以前ブログでも経緯を書きましたが、
私の場合は、大腸内視鏡検査の予約がかなり先にしか入らなかったので、
あの時に症状を大袈裟に訴えてERに行っていなかったら、
発覚が遅れていたとしたら、と考えるととても怖いです。
ERに行った時点では本当は痛みはなかったので
ただ、状況として出血がひどくなっていましたが
あの時ERへ行かなくても待とうと思えば待てた状況だったからです。
つくづく、この病気の「症状に伴う痛みがほぼない」、ということが、
大腸がんの発覚が遅れる最大の原因のなのではと思います。
出血などがあった時には是非すぐに検査をしていただきたいです。
大腸内視鏡検査は、
お尻から管を入れる検査であることだったり、
検査のための下剤を飲んだりと
なかなか気軽に受けたい検査ではありません。
ただもし、出血などの症状がある場合には、
原因を突き止めるには中を見てみなければわからない、
ということを私の外科の先生はおっしゃっていました。
私の場合、
血液検査でわかるCEA(腫瘍マーカー)は正常値(1.7)だったこともあり、
がんには若いと判断される年齢だったということもあり
内視鏡検査にたどり着くまでに時間がかかりました。
日を追うごとに症状が悪化しているのが顕著になり
痛みは実際なかったのですが、大袈裟に執拗に訴えて初めて先生が真剣に聞いてくれ
そのまま入院してカメラができることになったという経緯があり
最初に状況を理解してくれる先生を見つけることもとても大事だと思いました。
私の年齢や私より若い方々は特に、同じような経緯で
かなり遠回りしてがんが見つかった方がたくさんいるということも、
病気になって、サポートグループに入って初めて知りました。
同時に決して私は若い方ではなく、20代、30代の方も本当に多く、
若い人こそ、私が経験したのと同じ理由で、
発見が遅れてしまっている状況が多いということを知りました。
大腸がんは進行がそこまで早くないと、ある先生はおっしゃっていましたが、
ある程度進行してしまったものだった場合
出血が腫瘍からのものである場合は、
すでにある程度進行しているものと思われますので
そこから例えば私のようにリンパ節に転移があったりする場合、
リンパ節への転移の数でステージ3からさらにA, B, Cと分類が分かれ、
私の場合は腫瘍の壁深達度がT3a リンパ節転移が3個でN1でステージ3bでしたが、
一段階上のステージ3cとなると遠隔転移の確率が上がるようですので、
bとcとの違いだけでも
やはり早期発見が大事ということにつながります。
早くわかればわかるほど、予後は良くなり、
普通の生活に戻れるまでの期間も短いです。
私自身も家族に言われ続けたことなのですが、
検査は億劫ですが命には代えられませんので、
おかしいな、と思ったらすぐに受診、検査をしていただきたいと思います。
この話をすると熱くなりがちで前置きが長くなりましたが、
私のがんが見つかった時の初めての検査のこと、
初めてプレップのための下剤を飲んだ経験をシェアしたいと思います。
私はER受診からそのまま入院し、翌々日にカメラをすることになったのですが、
受診の翌日の夜から、モビプレップという下剤を飲み始めて、
検査当日はお昼前の検査に備えて朝2本目の下剤で準備を始めました。
このモビプレップというのは、
私の先生は、英語でMoviPrep と書かれたものをムービープレップと読んでいて、
専門医の先生からしたら、内視鏡はMovie?の準備?なの?
というイメージなのでしょうか?
それともMovingのMoviで腸を動かして準備をするとか?なんでしょうか。
日本でも同じお薬を使っている病院も多く、
日本ではモビプレップと呼ばれていることを知りました。
これはローマ字読みをしたら、モビ、となるからでしょうね
最初の内視鏡の時は、このボトル一本が1リットル入りのものを、
前の夜1本、当日の朝から1本と合計2リットル飲みます。
粉末が入っているところに、水を入れて混ぜて溶液を作るようですが、
私は入院していたので、すでに出来上がったものを持ってきてもらったので
混ぜ方などは未経験なのですが
2リットルの下剤と聞くと大変そうですよね。
確かに大変で、味もまたおいしいものではないので
味は日本のものと同じかどうかはわからないのですが、
ライムのようなレモンのような味で、
昔よくあったお手洗いの芳香剤のような感じが私の感想です。
鼻をつまんで飲みたくなるような匂い。
味もまた、レモンライムに塩分が混ざったようななんとも言えない感じで
最初の1本はなんとか、飲むことが許されている透明の液体、
具体的には水・お茶・コーヒー(クリームなし)・スプライト・
ジンジャーエール・コンソメスープなどは飲んで良いとされていますので、
それらを交互に飲んで、口直しをしながら
80%くらいは飲み終わらせました。私にはこの口直しがないと
飲むのは不可能でした。
飲み終えるのにはすごく時間がかかりました。
最近知ったのですが、飲む時に、よく冷やしてストローを使って飲むと、
味をあまり感じないで飲める、というコツがあるらしく、
次回の11/3の時には、試してみようと思います。
途中様子を見にきた看護師の方に早く飲むように怒られたりしました。(笑)
ERに行った時から、検査などで食事は抜いていたので、
下剤を飲んでも、お腹の痛みはそれほど酷いものではなく、
そこまで苦しまずに済みました。
全部飲み終わる前にもう出てくるものはクリアな液体になっていたので、
もう飲まなくてもいいんじゃないか、と思いましたが、
たまたま怖い看護師さんが担当で、
全部飲みきらなくちゃダメだ。
と念を押されていましたので
でも最後カップに残った少しがどうしても飲みきれなかったのですが、
なんとか飲み終えました。
私の場合は何が大変だったかというと、入院して点滴をされていたので、
トイレに行くたびにわざわざ点滴の電源コードを抜いたり戻したりして
というのが面倒だったくらいで、あとは大変なことはそれほどありませんでした。
あとは、病室のトイレの便座がアメリカはだいたいそうですが、
温熱便座でもウォッシュレットでもなかったので、
座るたびに冷たくていやでした。笑
家にいたらもっと楽だっただろうなと思いました。
翌朝、2本目の下剤がやってきましたが、これが結構キツく、
というのも、今回はお気に入りの
コンソメスープで口直しをしてなんとか飲み終える作戦が使えず、
苦しみました。お腹が痛くなるから、というより、
味がもう我慢ができないという感じでした。
先生が様子を見にきてくれて、出てくるものがクリアになっているなら
もう飲まなくてもいい、と言われほっとしたにもかかわらず、
後から様子を見にきた看護師さんにまた、全部飲まなければダメだ、
となぜか先生の指示を上書され
あまり入院経験はありませんが、
意地悪な看護師さんってたまにいるんだなと思いました。
説明したのですが、無駄な抵抗でした。
結論は、モビプレップは味が苦手で苦労しましたが、
幸い吐き気を催したり、その他の副作用などはありませんでした。
お腹も、グルグル言ったりしましたが、食事を抜いていたせいか、
トイレはそこまで苦しむことなく、飲んだ下剤がそのまま出てくる
というような感じでした。
次回内視鏡をする時は、下剤の前から少し食事を調整し
おかゆやスープのみにした方がきっと楽かなと思いました。
私の病院は内視鏡検査は全身麻酔で行いましたので、
痛みなどは全くありませんでした。
処置の間30分ほどの時間だと思うのですが、麻酔の眠りというのは
質の良いお昼寝の感じでなんともいえません。
ただ、私の場合がんが見つかって予定時間よりも長びいたからか
ちょうど先生が直腸の腫瘍をカメラに移しているときに
まさかの麻酔切れで目が覚めました。
目ははっきり覚めたのですが、痛みは感じませんでした。
時間にしたら1分か2分くらいだったのかと思います。
以前にも書いたかもしれませんが、目が覚め、画面に映された腫瘍を見て
その時点で明らかにがんと私でもわかるような悪そうな腫瘍があるのを
ライブで見られたというか 笑。
最初先生たちは私の意識があることに気づかずに
何やら相談しあっていましたが、
(後で知ったところ、したからカメラが入ってすぐに大きな腫瘍があり、通常のカメラで先に進めずに、ここで小児用のカメラに取り替えて残りの腸を調べたということで、そう言った話をしていたようです)
アシスタントをしていた先生が私の目が覚めていることに気づき、
先生にそれを伝えて、私も先生と目があい、
その後また麻酔を追加されたようで、気づいた時には処置室を出て
回復室のベットにいました。
その後先生が検査結果を持って説明に来てくれるのですが、
自分の目でモニターを見て結果はだいたい想像がついたので、
検査結果もそこまで驚きやショックもなく、
あの時はある意味冷静に受け止めることができたとも言えます。
丸二日間何も食べていなかったので、とにかくお腹が空いていたので、
結果を聞いたあと、食事は取っていいのか、
ということを真っ先に聞きました・・
腫瘍の深さや、転移があるかないかを調べるために
すぐにCTに行くように言われましたが、
それが終わったら普通に食事をとって良い、と言われたので、
CTから病室に戻ってすぐに夕飯をお願いしました。
この病院はメニューから選んでオーダーする形式だったのですが
あまりお腹が空いていたので、ローストビーフを頼んでしまいましたが、
届いたものにびっくり。
意外に味付けも薄くなく、病院食という感じではなく、
普通にアメリカの家庭料理、という感じでした。
クッキーもついてました。
お肉もとても柔らかくて食べやすかったのですが、
二日間絶食した後では半分でお腹がいっぱいになりました。
終わってからは、お腹が少し張ったり、喉がいがいがしたり
(こちらは胃カメラの影響)
若干だるい感じもありましたが、
特に寝ていなければいけないというほどではなく
普通に日常生活に戻ることができました。
だるさについては、私の場合は悪性の腫瘍が見つかった、
ということも精神的なダメージもあったかと思います。
カメラでがんが判明したあとは、
入院病棟での扱いが全く変わりました。
ERから原因不明の弁に血が混じるという症状から、
クロストリジウム・ディフィシル( Clostridium difficile )腸炎
C. Diffと仮に診断されていたので、部屋のそとには伝染病のときに表示される
バイオハザードのマークがついていたりしたんですが、
(これはカメラに行く時に初めて部屋から出て知りましたが)
CTから戻った時にはすでに取り除かれて、
看護師さんたちの態度がなぜか急に必要以上に優しくなった気がしました。
仮の診断なのに、すでに炎症を抑える点滴など、ガンガンに打たれていたので、
体が水分でむくんで大変でしたが、この点滴もすぐに止めてもらえて、
身軽になりました。
よく考えたら、仮にもうつる病気と診断されていたので、
ばい菌扱いされていたんだな、と思いました。
何度説明しても信用してもらえず、ばい菌扱いまでされて失礼な話です。 笑
カメラで私の身の潔白を証明されて良かった、とさえ思いました。
本当はそんなの証明されずに、
がんではなくC.Diffで落ち着いていたほうが良かったんですが。。
私の初めての大腸内視鏡検査の経験はこんな感じでした。
私が43歳で大腸がんがわかったので、
うちの娘二人は、30歳から
大腸内視鏡検査を受けなければいけないそうです。
両親のどちらかが大腸がんになった場合はそういうプロトコルだそうです。
先延ばしにせずに、必ず受けてもらいたいと思います。
そして、もしもその前に何か症状があった時には、
他のどんなことよりも優先して検査に行くように、
今から話しています。
20代で大腸がんが判明したサポートグループの方達は、
妊娠中で検査を先延ばしにしてしまったり、
という方もいらしたり、
妊娠中に抗がん剤治療をしていらっしゃる方もいて!
それでも健康な赤ちゃんを出産されていましたので、
がんになっても全てが終わってしまうわけではなく、
希望もたくさんあるということも伝えたいと思いますが、
その前にまず、とにかく早期発見が大事ということ、
若くても、がんにならないという根拠は全くないということを
皆さんに知っていただきたいと思います。