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遺伝性がんクリニック診察

  

自分の記録をかねて始めたブログですが、

一年が経過しアクセスしていただく数が増えています。

こんな気まぐれなブログをご覧いただきまして

本当にありがとうございます。

私の記録がお役に立つかどうかわかりませんが、

こんな人もいるんだ、という参考にしていただけたら幸いです。

それと特に、現在寛解になっていますので、

今辛い治療をされている方々、大変ですが治療を続けて頑張ってください。

がんの診断が下りてから1年半で、

おトイレの問題少々と、若干の末端神経障害は残っていますが、

それ以外は仕事もして、普通の生活ができています。

  

今週は昨日頭痛の方でCTの予約があり、

今朝は遺伝子クリニックの先生との予約がありました。

  

CTは何事もなく終了し、今朝結果も出て異常なしということでした。

どういうわけか、10年以上前のMRIで脳の血管に奇形があるという情報が前の病院から流れてきて

そのためのCTだったのですが、私はそんなこと当時のMRIの後に何も知らされておらず、

なんとも不可解だったのですが

当時MRIをしたグアムから画像を取り寄せるよりも

とりあえずCTをすればわかるでしょう、と

今の病院の先生の判断での検査だったのですが

予想通りCTをしても何もありませんでしたので

アメリカでたまに起きる、「?」現象で終わりました。

話すと長くなるので省略しますが、癌の診断が出る前の病院はいろいろ問題があり

そちら絡みのことだったので、あまり考えるとストレスになるので流します・・

何はともあれなにごともなくよかったのですが。

  

遺伝子クリニックの方は、がんリスクを調べる遺伝子検査についてで

私はがん治療を始める前の治療方針を決める際の遺伝子検査(オンコサイト)の検査で

腫瘍の組織の中にTP53変異があったので、治療に際しては方針を変えず治療をしたのですが

治療が終わってから腫瘍以外の遺伝子に変異をもつものがあるのかどうか

これを調べることを勧められていたので

そのための専門のクリニックの診察でした。

  

この予約で専門の先生の診察の後、遺伝子検査が必要と判断されたら検査をする、

という流れなのですが、この診察前にオンラインでのサーベイで

事前に遺伝子検査に際しての注意事項を読んだり、

検査に対する同意書にサインをしたりする必要があり

遺伝子検査とは何かを説明するビデオが用意されて、それをみて、

事前に検査の詳細を理解した上でサインをしておく必要がありました。

  

アメリカでは遺伝子検査の結果が陽性つまりその人のがんリスク評価に対して

医療保険加入や住居契約、雇用機会が保護される旨の法律

Genetic Information Nondiscrimination Act -GINA)が

2008年に整備されたということですが

生命保険加入や障害者保険加入などについては州ごとに扱いが違って

完全に保護がされないため、このことに関して事前に同意させられました。

  

私の場合はもうすでにがんの診断が下りているので

そのことで生命保険などはすでにリスク高のカテゴリーに入っていますので

寛解後5年たつと状況は変わることもあるみたいですが、

基本的にはこの検査が陽性だったとしても私の場合は特に状況は今と変わらないらしいです。

しかし健康な人がこの検査をする場合には、

結果次第で色々な問題が生じますから

事前に理解してよく考えてからでないといろいろ影響が出ることになってしまいます

例えば、私の検査が陽性で、私の娘たちが検査をしたいとなった場合

すでに娘たちが十分な生命保険などに加入していれば問題がありませんが

そうでない場合は陽性の結果が出てしまった時

一定額以上の生命保険に入れないなど

制限がかかることがあるそうなので注意が必要らしいのです。

  

この検査はどうしても必要な検査ではなく任意ですが

私の場合、腫瘍の遺伝子検査でTP53が陽性という結果が出た時に

自分でいろいろ調べて見たのですが

TP53の変異というのはとてもよくあるもので

色々ながんにTP53の変異が関連しているらしいので

特にこの結果が必ずしも腫瘍以外の部分で変異を持っていて、

他の癌のリスクが高くなるということではない、

同時にいまだ分かっていないことが多い分野でもあるらしいことがわかったので

検査をするべきなのかどうなのか悩んでいました。

  

  

私の場合ではがん治療が終わっても、胆管や膵臓に問題が出てきているわけですが

状況は改善されているので、

これらの異常の原因は抗がん剤の副作用だったということも

大いに考えられるのですが、

同時に、すい臓がんの患者さんのTP53変異の割合などの統計を研究結果出目にすると

検査をするかどうかは本当に悩ましいところでした。

それで主治医の腫瘍科の先生に聞いてみたのですが

遺伝性がんのことは専門の先生と話した方がいいということで

とりあえず遺伝性がんクリニックの予約を入れましょうということになり

そちらの専門の先生に聞いてから決めようと思っていました。

  

ということで、まだ検査をする、と決断はできていなかったので、

事前に同意書にサインすることに少し抵抗はあったのですが

先生と話してから検査をするかどうかは決めればいいか、

ということでとりあえず同意書はオンラインで記入して送付し、

診察当日になった次第です。

  

今回の診察もテレヘルスでも大丈夫そうだったので、

オンラインの診察に変えてもらいました。

検査をするかしないかの判断のためにもどんな先生か不安もあったのですが

女性の先生でとても感じのいい先生でした。

たくさん用意していた質問にも全て答えてもらい、

急いでいる感じもなく、時間もたっぷり1時間半くらい、

お話しさせていただきました。

家族のがんの履歴や、主人の家族のがんことから、娘たちに及ぼす影響、

TP53の変異がもたらすリスクについて

私の場合、検査をするべきかどうか、

陽性だった場合どうなるか、

遺伝子検査の結果によって不利な影響が出ることについてや、

それを保護する法整備についてなど。

  

  

  

今回先生に聞きたかったことは当然ながら

検査をするべきかどうか、という専門の先生の意見ですが

まだ治療中に放射線腫瘍科や腫瘍科の先生に聞いた時には、

この変異はあまり気にしなくても大丈夫、と言われたことがあったので

がんが体からなくなった今、なんとなくもう心配しなくても大丈夫なんじゃないか

という気持ちが強かったのですが

  

遺伝子クリニックの先生の見解は、

私ががんリスク遺伝子検査をするべき理由として

  

1、大腸癌が見つかった年齢が43歳と比較的若年だったこと

  

2、腫瘍部分の遺伝子検査で47%の対立遺伝子頻度でTP53病原性バリアント(c.742C> T)が出ていること

  

3、私が検査をするべきに足りる家族のがんの病歴があること

  

4、リフラウメニ症候群、リンチ症の可能性があること

  

5、検査が陽性となれば、TP53変異が原因となる病気の予測・予防ができること(乳がん、脳腫瘍、軟部組織肉腫、骨肉腫など)

  

  

ということから検査は是非した方がいい、との見解でした

  

正直に言って、この先生と話をするまでは、

自分のがんが若年性だったということも忘れていましたし

サポートグループには20代や30代の大腸がんの方も多かったので

自分が若かった(若くはないか・・ただの若年性笑)ということはすっかり忘れていました

この最初の検査の結果は放射線治療を始める前だったので、

その際自分でいろいろな論文などをリサーチした結果、

リフラウメニの可能性があると知り、

リフラウメニ症候群であった場合には

「放射線治療が他のがんを誘発する」、と読んだので

放射線腫瘍科の先生に聞いたところ、

もしそうだったとしても、あなたの場合は

まずこの腫瘍を小さくしなければ行けないので治療方針に変更はないし、

30年やっていて、一人しか見たことがないくらい稀な病気だから

心配しなくても大丈夫でしょう、

と言われて安心して放射線治療をした結果、無事がんもなくなったので

それですっかり忘れていました。

  

 

私の一番の心配事は、TP53変異と今心配している膵臓や胆管の関係なのですが

先生に聞いたところ、TP53変異ではあまりないがんだけれども、

私が陽性だった場合には、家族の病歴のがんの種類がTP53変異特有のがんではないこともあり

関連がある可能性も否定できないということでした。

  

今までの先生方は私がマイナスな質問をしても

ポジティブに考えて返事をしてくれるような先生ばかりだったので

確かに治療中はそのほうが気持ちの面でよかったと思っていますが

遺伝子クリニックの先生は、私の質問をそんなことは考えすぎだ、

と言わずに色々な可能性を包み隠さず説明をしてくださったので

診察を受けてよかったと思いました。

先生は、陽性の可能性が高いから検査が必要と言っているわけではなくて

陰性の可能性も十分にあるけれども、陽性の場合はこういう可能性がある、

ということを全てわかりやすく説明してくれました。

  

最後に念のため、私の検査結果が陽性だった場合に、

法律で保護されていない面で生活上不利になるようなことがあるか

先生に尋ねたところ、やはり私の場合は

すでにがんの診断がおりているのでそちらの影響の方が強いので

私の予想通りこの遺伝子検査の結果で今以上に何かが不利になることはないだろう、ということでした。

  

それ以外にも主人の家族のがんの病歴なども先生に相談をして、

娘たちのリスクについても伺ったりしましたが

これはまた機会があれば記事を書きたいと思います。

私の検査結果が出れば娘たちのリスクもまた少しはっきりするので、

検査をすることにしました。

  

検査は送られてきたキットを使って唾液を採取して返送するという形式だそうで、

近日中にキットが自宅に送られてくるそうです。

返送後3−4週間で結果が出るということです。

  

  

いろいろありますが、これで今年の診察は終了となりました。

娘たちも月曜から冬休みに入っていますので

あとは家族でゆっくりホリデーを楽しみたいと思います。

  

去年の今頃は抗がん剤を初めたころで、まだそこまで副作用はひどくなかったのですが

外に出るのも大変で、冷たいものが一切触ったり飲んだりできなかったんだな・・

普段からあまり冷たい飲み物は飲まないのですが、飲めないとなると冷たいものが恋しかった記憶があります。

アイスクリームも食べられなかったし・・・笑

  

今治療中のみなさん、暖かくしてお過ごしください。

  

  

先生との会話が英語で、自分では理解しているつもりなのですが

少し今回会話が難しかったので日本語訳の専門用語で正確でないことがあるかもしれません。ご了承ください。





  

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