闘病

肝臓と胆管の異常について

術後の抗がん剤投与中(2019年12月〜)から肝酵素の数値の上昇があったのですが、

抗がん剤投与を一度1週間延期し、腹部のCTも1月に撮りましたが異常がなかったので、

主治医の先生の判断で、抗がん剤の副作用によるものだということで様子見と言うことになっていました。

抗がん剤投与終了が3月の中旬で、その後しばらく数値を観察していましたが、

下がっている傾向ではあるものの、まだ数値が高いと言うことで、

念のために肝臓の専門の先生に紹介状を書いていただきみてもらうことになりました。

  

コロナウィルスのための制限がピークの時期だったので、

最初の診察はテレヘルスで、Zoomでの診察となりました。

抗がん剤の影響であるのかどうかを特定するために、

いくつか検査をすることになり、血液検査で調べるもの、

(この血液検査は何本とったかなというくらい大量でした。)

それから、FibroScanと言う肝臓の超音波検査

とMRIをしました。

  

MRI,フィブロスキャンでは共に、肝臓には異常はなしということでしたが、

①MRIでは肝内胆道が若干拡張していることと、

②すい臓に小さな嚢胞らしきものがいくつかあり、IPMNの疑い

という診断でした。すい臓に関しては要観察ということで12月に再度MRIとなりました。

IPMNとは

膵管内乳頭粘液性腫瘍(Intraductal Papillary Mucinous Neoplasm)とは膵管(膵液の通り道)内に乳頭状に増殖する膵腫瘍で、粘液を産生することで嚢胞状となることが多く、膵管が太くなることもあります。いわゆる「通常の膵臓癌」とは違い、良性から悪性まで様々な段階があり、経過中に悪性化することがあります。

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ただ肝臓自体は、検査の結果から数値の上昇は抗がん剤の影響であるはずなので、

ストーマ閉鎖の手術をすることは問題ないので、手術は予定通り行い、

この胆管の拡張が原因でALPの数値が上昇している可能性を否定するために

手術後に、超音波内視鏡検査をするように言われました。

  

超音波内視鏡検査の役割(Endoscopic ultrasonography:EUS)

超音波内視鏡は、文字通り超音波(エコー)装置をともなった内視鏡で、消化管のなか(内腔)から超音波検査を行います。体表からのエコー検査と異なり、胃や腸の中の空気や腹壁、腹腔(ふくくう)の脂肪、骨が、エコーをとらえて画像にする際に妨げになることもなく、観察目的の近くから5~30MHzという比較的高い周波数の超音波により、高い分解能の超音波観察をすることが可能です。おもに上部消化管(胃、食道、十二指腸)、大腸、膵臓・胆道で使われ、各臓器の内部、周囲の臓器、血管、リンパ節などの情報がえられます。

超音波内視鏡画像 スコープ全景・超音波内視鏡 先端
超音波内視鏡画像

病理(びょうり)検査のために、超音波内視鏡ガイド下穿刺(せんし)(Fine needle aspiration:FNA)といって、超音波で粘膜下の状況を確認しながら細胞を採取することも可能です。

超音波内視鏡では、通常の内視鏡では見ることのできない組織の内部を観察することができます。食道、胃、大腸の粘膜の層構造を見ることができるので、潰瘍などの病巣(びょうそう)がどのくらい深くまで及んでいるか(深達度:しんたつど)や、表面には見えない粘膜下の腫瘍などを調べることができます。

また、超音波内視鏡は病巣の深達度診断の他、直接内視鏡で観察することが困難な部位(膵臓、胆のう、胆道)の精密検査としても行われます。胃や大腸など消化管の病変は、内視鏡画像を見ながら超音波端子を操作しますが、消化管外にある膵臓・胆道ではそれができないため、超音波画像に併せて端子を操作します。描出された画像が膵臓・胆道のどの部分であるかを、周囲の臓器や血管などを参考にして同定、確認を行います。

オリンパスおなかの健康ドットコムより https://www.onaka-kenko.com/endoscope-closeup/endoscopy-role/endoscopy_06.html

  

この検査にもオリンパスの機器が使われていて、日本のテクノロジーはすごいなと思います。

要するに、胃カメラの先に超音波の装置がついているもの、らしいです。

  

この超音波内視鏡検査は、私の通っている大学病院ではできる先生が限られているということで、

少し先の予約になりましたが、緊急性はないということで手術から2ヶ月後に予約できました。

  

手術後の2ヶ月という期間、胆管の拡張、ということについて

「緊急性はない」と言われたのですが、

胆管の拡張とは一体どういうことなのかということをネットで調べることから始まり、

さらには大腸がんを患っていた祖母が肝臓、胆管がん(おそらく大腸がんからの転移性がんと思われますが)

もあったということも判明し

転移のパターンも遺伝するのではないか・・・などと不安になったりもしました。

  

腫瘍科の先生からは、転移のパターンは遺伝しない、と笑って言われましたが、

この先生はがんは治すためには気持ちが大事、という考えの先生で、

ネットでいろいろ調べたりすることもよくない、という方なので、

そう言われて安心する一方、100%先生の言葉を信じることもできずにいました。

  

なにしろ、胆道やすい臓にがんがあったりした場合には、ステージ4でも予後のとても悪いものになるので、

胆道がんは、膵がんと並んで治りにくい悪性腫瘍の筆頭です。一般的に病期診断で手術できる時期と診断された場合の5年生存率は10-30%くらい、手術できない時期と診断された場合の1年生存率は10-40%くらいです。

がん研有明病院のページより https://www.jfcr.or.jp/hospital/cancer/type/gall_i/index.html

この検査を待つ間の2ヶ月間は、今までのがん治療の中で一番精神的に平静を保つのが難しい時期でした。

  

そう言ったわけで、この検査の当日はとても緊張して行きました。

珍しく前の晩も眠れませんでした。

担当の先生も初めての先生で、とても腕の良い先生だということは

他の先生や看護師さんから聞き、ウェブサイトのレビューでも

星が 4.9/5 ということで安心していましたが、やはり緊張しました。

  

病院に行って、プレップエリアのベットに通されて、

病院のガウンに着替えたり点滴の針を入れてもらったりするのですが、

その時もなかなか落ち着かず。

アシスタントの先生や、麻酔科の先生、担当の看護師の方々が次々とやってきて、

検査についての説明などをして言ってくれるのですが、

ほとんど頭に入りませんでした。 

  

準備を終えて時間になり、処置室に入ると

担当の先生が挨拶をしてくれて、これからどんな検査をするのかという説明をしてくれました。

先生に、大腸がんの祖母が胆道にがんが転移していたようなので、

とても心配なのでよく診てください。と、お願いしました。

  

大学病院なので、インターンが見学したりということは今までもあったのですが、

今回このEUSをできる先生が少ないと言うことだからなのか、

処置室にはかなりたくさんの人がいて、15人以上はいたと思います。

こんなたくさんの人がいるのに、ガウンの下は全て脱ぐように言われていたので

麻酔で眠っている間にお腹がコントロールできなくなったらどうするんだろう・・とか、

ウェブサイトで見た先生の写真はいったい何年前の写真だったのか、とか

そんなことが気になっているうちに麻酔が効いて、気づいた時には先程の準備室で横になっていました。

  

処置前に、看護師さんから、バイオプシー(細胞診)をした場合には、

処置の後2時間ほどは病院にいてもらうことになると言われていたので、

目が覚めた時に少しドキドキしていましたが

先生から異常はなかった旨の伝言を受けました。

すい臓に関しては、嚢胞はいくつかあるけれども

サイズが小さいので要観察ということで、12月に再度MRIをするように言われました。

  

全く異常がなかったというのは、ではなぜ胆管が拡張していたのか?

などの疑問は残ります・・

でも、あまり考えるとよくないので忘れることにしました。

    

せっかくキャンサーフリーになりストーマも閉鎖できたのに、

後ろ向きなことばかり考えていても仕方がない。

今まで通り先生方を100%信頼して前向きに過ごすことにします。

    

この処置の後、喉の痛みが出ることがあると説明を受けていましたが、

大腸カメラは何度もやって慣れましたが、口からカメラを入れるのはこれが2回目で、

前回はがんが発覚した時の検査だったので、

のどの痛みというよりがんになったことの衝撃の方がひどく、

あまりよく覚えていなかったのですが、

今回は処置の後、喉がとても痛くなり、まさかコロナ?というくらい

熱っぽく感じ(熱はなかったのですが)、風邪をひいた時のような全身の関節痛などまであり、

仕事が忙しかったので、帰宅後そのまま仕事をしたのですが、

なんとか数時間耐えたのですが、全身の関節の痛みと熱っぽさで、

自宅からの勤務にもかかわらず、座っていることでさえきつく、

そのまま早退しなければならないほどで、二日ほど仕事を休みました。

後からある記事を読んでいて知ったのですが、

この検査EUSは胃カメラよりも太いカメラを飲まなければいけない

ということで負担の大きい検査と書いてありました。

やはり前回よりも喉が痛いと感じたのは気のせいではなかったんだ・・

不調になった原因がわかってほっとしましたが、

この検査をされる場合は、検査後無理をせずゆっくり休まれることをおすすめします。

    

二日後この検査をオーダーした肝臓の先生から連絡があり、

検査結果は異常なしということでしたが、血液検査で閉鎖手術後に下がっていた肝臓の数値がまた上がっていたので、

もう一度血液検査をすることになり2週間開けて血液検査をしました。

結果は、抗がん剤治療後初めて一番正常に近い数値に下がっていました。

白血球、赤血球、ヘモグロビンはいまだに低いままですが、

これは抗がん剤の影響のはずでまだ回復の余地があるとして、様子見となりました。

ということで、これでついに安心してポート抜去をお願いできる条件が整いました。

来月10月には直腸がんの手術から1年後の大腸カメラをしなければならないので、

その時の全身麻酔のついでに、ポート抜去もお願いできることになりました。

ポート抜去してすぐにまた再発、転移などとなりませんように。

    

今後の診察・検査予定

  • 9月 子宮がん検診
  • 10月 大腸カメラ(術後1年)、ポート抜去
  • 11月 腫瘍科 抗がん剤終了後3ヶ月おきの検診、血液検査
  • 11月 消化器科(肝臓)のフォローアップ
  • 12月 MRI(すい臓の嚢胞観察のため)
  • 12月 遺伝子クリニック初診(TP53変異について)

   

  

体調について追記すると、2ヶ月くらい前から、更年期の症状がやっと出始めました。

突然熱くなって汗をかいたり、寒くなったりします。

今までの私には汗をかくことはあまりなかったので、すぐに更年期の症状と分かりました。

放射線の治療後生理は止まったままなので、間違いなく更年期の症状であると思われます。

   

抗がん剤の副作用は、手足の痺れもいまだにあります。

基本的には薬を1日2回飲んでも、

いまだに靴下の中には砂がたくさん入っている感覚、

手も指先と爪に圧迫感のような痺れと、関節は曲げるとむくんでいる時のような痛みがあります。

抗がん剤治療終了直後よりは若干いいのか、症状に慣れてしまっただけなのか、よく分かりません。

ただ、字を書いたり、タイピングには支障はなくなってきました。

痺れに関しては、Facebookの大腸がんのサポートグループで

どなたかが糖分を制限すると症状が和らぐ感じがする、とおっしゃっていましたが、確かにそんな気がします。

甘いものを食べてしまった時は症状が悪化している気がします。

    

体力はだいぶ戻り、体重も42キロまで落ちてしまった時もあったのですが、

現在は45キロと46キロの間を行ったり来たり。

でも一回に量が食べられないので、やはりこれ以上増やすのが難しい感じです。

家事や掃除などは支障なくできるようになってきました。

お腹の傷の痛みもだいぶ良くなり、腹筋を使ったエクササイズなどをしても大丈夫になりました。

  

今は腰の痛みと左側の股関節の痛みがひどいので、フィジカルセラピーに通っていますが、

背筋のエクササイズをするように言われているので、

背筋とスクワットを2時間おきにやり始めました。

まだ1週間くらいしか経っていませんが、腰痛は良くなってきた感じです。

ただ単に、背筋が弱くなっただけだったのか・・

股関節に関しては、関節がギシギシ言う感じがするので、

コラーゲンやグルコサミンをとったりした方がいいのかなぁ。

左の股関節は動かすと激痛なので、早く治るといいです。